クローバー
気配は感じなかった。そこそこの奴らだ。ざっと数えて敵は十人ほど。
「なら、強引に通る」
そう言ってセイ隊長が剣を抜いたと思った瞬間、そこにはもうセイ隊長の姿はなかった。サヤが見付けられたのは、敵が悲鳴を上げたから。
「命は大事にしろ」
肩に剣を乗せるセイ隊長。
いつも怠けていて、任務などに興味なさそうな態度を取っていたが、剣を抜けばこんなに強いのか。私は、この人を抜く事が出来るのだろうか…。
綺麗に敵を倒すセイ隊長に見とれていると、前方から馬鹿正直に敵が突っ込んで来た。
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