クローバー
気付けば、ヨツバの瞳からは涙が流れていた。
コトハを失った悲しみや、それを今まで知らなかった悔しさや、色んな事が心の中で渦巻いている。
そんなヨツバを見てマリアさんが、
「フタバ、部屋で休みなさい。疲れているのよ」
「はい…」
ヨツバは素直に部屋を出た。
確かに疲れているかもしれない。色んな事がありすぎて、何だか身体が怠い。
それにフタバと呼ばれる度、何だか自分じゃないような気がする。
何故だか分からないが…。虚しい風が吹くみたいに。
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