クローバー
「何泣いてんだ。お前が自分で戻って来たんだろ」
「そ、そうだけど、どうしているの!?」
するとセイは真っ直ぐヨツバを見つめ、
「約束を果たしに来た」
「約束…」
「しただろ?ここで。お前をこの城から連れ出すって」
「セイ…覚えてたの?」
「当たり前だろ」
覚えててくれた。私は記憶を無くして一時忘れていたのに、セイは顔を見た事もない魔女との約束を二年間ずっと覚えててくれた。
コトハがセイを好きになった理由が分かる。だって私も…。
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