クローバー


「セイ、どこ行くの!?」
ただひたすら森の中を闇雲に走っている途中、息を切らしながらも付いて来てくれるヨツバが言う。
セイは振り返る余裕もなかったので、前を向いたまま答えた。
「分かんないけど、あいつ等から離れないと」
ここで騎士隊に見付かっては面倒な事になる。何とか見付からない事を願いたいが、やはりそう甘くないか。
全速力で走っていたセイは殺気を感じ、ヨツバを抱えて横に飛んだ。さっきまでセイがいた場所に黒い斬撃が飛んできて大木を真っ二つにした。
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