クローバー
「ヒナタ…」
マリアが目を覚ますと、泣きそうな顔で見下ろすヒナタがいた。
「何泣いてるの?」
「だって…死んじゃったと思ったから…」
「約束を守らずに死ぬ訳ないでしょ」
なだめる為にヒナタの頭を撫でてから身体を起こすと、そこは村ではなかった。
確かにここには村があったのだが、建物は消え去り、村人があちこちで死んでいた。
「これ…ヒナタが…?」
「皆が…うるさいから」
マリアでさえ村人には手を出さなかったが、ヒナタの感情で魔力が暴走してしまったのか。
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