クローバー


遠い昔の事を思い出していると、ヒナタの眼前に鈍く光る刃が向けられた。
そして、刃を向けているアッシュが小さく首を傾げる。
「どうした?泣きたいのか?」
こんな男に気遣われるなんて…。気持ち悪い。泣きたい?分からない。でも、
「ずっと付いて行くと決めた…」
「ん?」
またアッシュが首を傾げた瞬間、ヒナタは目の前の刃を素手で掴んだ。
「!」
若干アッシュが動揺したが、ヒナタはアッシュを睨みつける。刃を掴んでいる手からは血が滴り、刃を伝う。
アッシュは剣を引こうとするが、動かないほどヒナタが力強く掴んでいる。
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