クローバー
「サヤ!何でお前…」
サヤの腹部からは血が溢れ出しており、一瞬にしてサヤの服を赤に染める。
サヤはセイを見つめ、小さな笑みを見せた。
「セイ隊長の言った通り…人の命を背負うのは面倒くさい…。けど…大切な人の命を守れる事が、こんなに誇らしいとは思いませんでした」
「サヤ…」
「隊長の命…ちゃんと守ったんですから、大事にして下さいよ」
そしてサヤは静かに目を閉じた。自分の役目を果たしたように。
「サヤ!サヤ!」
何度呼んでもサヤは目覚めない。
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