クローバー
「そうか…止められてよかったじゃないか。もう私の腕はボロボロで、剣も握れない…。殺すか?」
「いや…殺したくても、殺す力がない」
その言葉に肩越しに振り返ると、レオンの利き手である左手が腕ごと無くなっていた。
「お前…」
さっきのセイの攻撃で吹き飛んだのか。レオンはその事には触れず、いつもの穏やかな笑顔を見せた。
「君と戦えて楽しかった…騎士隊を頼むよ」
「隊長も向いてねぇのに、総隊長なんか嫌に決まってんだろ」
そう言ってセイはまた前を向いた。
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