クローバー


騎士隊との戦争から五年の月日が流れ、セイは懐かしい店の扉を開いた。
「よう、フドー」
中に入ると店の店主であるフドーが、カウンターの奥でグラスを磨いていた。
「久しぶりだな、セイ。生きてたのか」
「当たり前だろ。コーヒー頼む」
カウンター席に座り注文すると、フドーはすぐにコーヒーを入れてくれた。懐かしいコーヒーの香りが店に広がる。やはりこの店は落ち着く。
「はいよ」
セイはコーヒーを一口飲み、思い出したように懐から小さな袋を取り出しフドーに渡した。
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