クローバー
「これ、遅くなったな。ここの貯まってた宿代だ」
「確かに」
フドーは袋を受け取り、そしてセイに笑いかけた。
「聞いてるぞ、セイ。騎士隊総隊長になったんだってな」
「まあね。この五年はホントに大変だったよ」
カウンターに頬杖を着きため息を吐くセイ。フドーは真剣な表情を見せ、
「王は殺されていたんだってな」
「ああ。国民にその事を伝えて、落ち着かせるのも大変だった。騎士隊の隊員を集めて、編成を組み直して、隣国と戦争して、全てが一からのやり直しだ」
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