クローバー
ヒナタはアッシュの剣を同じ剣で受け止め、アッシュと押し合いをしている。ヒナタは綺麗な顔に少し冷や汗を流しながらアッシュを睨み付けたまま口を開く。
「逃げて、フタバ」
「でも、ヒナタが…!」
ヒナタは魔女の城の中でも二番目に強い魔女。そんじょそこいらの騎士に負けるはずはないが、今回は相手が悪い。ヒナタだって勝てるか分からない。
「大丈夫だよ。必ず迎えに行くから…」
「ヒナタ…」
いつもの明るい子供のような笑顔。笑顔で「大丈夫」と言った時は、本当に大丈夫な時で、ヒナタはこれまでも何とかしてきた。だから今回も大丈夫なんだろうけど…。
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