クローバー
セイはベッドから這い出し、騎士の頃から使っていた愛刀を腰に差した。
そして一階の喫茶店へと下りて行く。
「おはよう、フドー」
カウンターの向こうでグラスを磨いている店の店主に声をかけた。
「おう。何か飲むか?」
昼時になると起きて来るセイにもう慣れたのか、フドーはいつものように注文を聞いてくる。フドーは顎に真っ白な髭を蓄えており、少し目尻が下がって優しそうな老人だ。セイは拾ってくれたフドーにはとても感謝している。
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