クローバー
金も無く、お腹が減ってこの店の前で行き倒れていた所をフドーに助けられた。こんな時代に行き倒れなんて、とフドーは呆れ返っていたが、行くあてのないセイをここに置いてくれた。二階の宿屋の一室をツケで貸してくれて、そして溜まっているツケの資金を稼ぐ為に用心棒なんてしてるが、全く依頼人が現れない。
「ところで、お前はずっとここにいるのか?」
何気なく聞いてきたフドーに、セイはカウンターに頬杖をつき欠伸をする。
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