クローバー
セイが騎士達を観察していると、少女に腕をぐいっと引っ張られた。さっきから思っていたが、こいつ力任せだな。
「この人達ずっと前から追って来るの!私を城へ連れて行くって」
「城へ?盗み以外に何かしたのか?」
「してないよ!今回が初めて」
「おい!何をしている!早くその女を渡せ!」
ほったらかしにされて苛立っているのか、騎士の一人が声を荒らげる。そんな騎士達にセイは顔を向けた。
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