クローバー
なるべくヒナタの神経を逆なでしないよう慎重に言葉を選ぶ。
「魔女は全滅したんじゃないのか…」
「全滅に近いよ。生き残ったのは私とあと一人」
「二人で城を潰す気か?」
魔女は普段街へ出たり人前に出て来ない。だがヒナタは、騎士を殺す為に街に出て来たように見える。
「まさか。二人じゃ無理だよ。いずれ城は潰すけど、その前にフタバを見付けないとね」
不敵な笑顔を見せるヒナタに、セイの背筋が一瞬凍りついた。
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