My guardian!〜あたしとあたしの守護霊くん〜
バーンッ!
「おぉう!?そ、そんな乱暴にドア開けなくても……どした、苺?」
『ふんっ!!』
「…?」
きょとんとしてる裕人をほったらかして、二階のリビングに行った。
『おはよ、ママ』
「苺…もう、大丈夫なの?」
少し心配気な笑みを浮かべるママ。
あ、そっか。ママには後ろの裕人が見えないんだ……
『うん。裕人も頑張ってるんだもん、あたしも頑張んなきゃ!』
「苺…。そう、じゃあ朝ご飯の用意するわね!」
そう言って、パンを焼くためにあたしに背を向けた。
『っ………!』
瞬間、絶句した。
うそ…何、あれ……
ママの背中に、年老いた女性がへばりついている。
『きゃ…むっ!』
叫びそうになったあたしの口を、誰かが塞いだ。
『んーっ!』
「あら、苺?どうしたの?」
喋れないあたしは、首をブンブン振った。
「そう?」
そう言って作業を再開するママ。
あたしは口を塞がれたまま、トイレに連れていかれた。
『ぷはっ!』
「あぶねー…叫んだらアウトだぞ」
あたしの口を塞いでたのは……裕人。
『だだ、だって!何あれ!?ママの背中におばあちゃんがっ…』
……あ、もしかして。
『あれ、ママの守護霊?』
「ん。そう」
もともと霊感がまっったくなかったあたしが、そもそもなんで裕人が見えるのか。
それも神様なんとかしてくれたらしいんだよね。
だからあたしには今、霊能力者並みに霊感がある。
『びっくりしたぁ…あんなにハッキリ見えるもんなんだねぇ?』
「人間と間違って話しかけたりすんなよ」
『しないよぉ!霊は半透明なんだもん!』
間違えるはずない、そう言い切りたいけど、初めて見た裕人以外の霊は、思ってたより生々しくて。
突然現れたら多分、見分けつかないかも……