My guardian!〜あたしとあたしの守護霊くん〜
『ところで…あのおばあちゃんは誰なんだろ?』
あたしのおばあちゃんは2人とも生きてるし…
「あれは…生き霊だな」
『生き霊?』
それって…あれだよね?思い入れが強くて、自分の精神の一部が離脱しちゃう……
それこそ、軽い幽体離脱みたいな。
『生き霊が守護霊になんてなれるの?』
「さぁ…俺はまだ守護霊歴2日だかんな。この世界の理(ことわり)なんてわかんねぇけど……でも、あれだ。気持ちの問題なんじゃね?」
気持ち?
『その人を守りたいかどうかってこと?』
「ん?うん…まぁ……そんなとこ」
…歯切れ悪い返事だな。
『ふーん。ま、いっか』
「………え?それだけ?」
『ん?』
それだけ?なんかあったっけ?
「あの、あれだよ?守りたいかどうかで守護霊になれんだよ?」
『うん』
さっき言ったけど。
「で、俺はお前の守護霊なんだよな?」
『そうだね』
どうしたんだろ?裕人…
「つまり?」
『つまり?』
つまり………何?
あたしがあからさまに分からないといった表情をしていると、
「……だあー!もういいっ!早く朝飯食ってこい!」
って怒りだした。
『う、うん…?』
トイレから出て、リビングに戻る。
「お腹の調子でも悪いの?」
『いやあ…別に…』
調子が悪いのは…あたしじゃなくて。
後方でいまだにイライラしてらっしゃる裕人さんなんです。
あたしは何故、裕人の機嫌が急に悪くなったのか分からないまま、家を出た。