My guardian!〜あたしとあたしの守護霊くん〜
『はうっ!!』
「何?」
『何?じゃないよ!』
家から出たのはいいんだけど。
町中に……【浮いてるもの】が見えるんですけど……
『何これ!?』
「何ってそりゃあ……浮遊霊…なんじゃね?」
『えぇ!?あたしが見えるのって、守護霊だけじゃなかったの!?』
「違うだろ?霊だったらなんでも見えるんじゃね?守護霊も浮遊霊も……あと自縛霊とか?」
『や、やめてぇぇ…』
ちょ、ちょっと待って…
自縛霊!?聞いてないよぉ……
「どうした?苺」
電柱にしがみついて離れないあたしを見て、裕人が言った。
『あ、あたし……ホラーとか無理……オバケとか幽霊とか妖怪とか……怖い』
「は?……って俺、幽霊だけど」
そう言って自分を指す裕人。
それは…ちょっと違うんだよ。
『裕人は大丈夫。全然怖くない』
「…なんで?」
なんでって…そりゃあ……
『…好きだから?』
「えぇ!?」
うん。好きだから。
『あたしね、多分…沙羅とか圭くんとかが幽霊で現れても大丈夫だよっ』
「……沙羅と圭、ね」
またまたイライラしはじめた裕人。
な、なんで?カルシウム不足?
「もういい。お前に期待した俺が悪かったんだ」
『へ?』
「恥ずかしいとか言ってる場合じゃねぇってことがよーく!わかった」
『あ、あの…』
「もう知らね。俺だって時間ねぇんだから。霊体なめんじゃねぇぞ?本気でいくから覚悟しとけ!」
…って熱く語る裕人。
なんの話?
「またキョトン顔かよ…」
よくわかんないけど、裕人が意外と情緒不安定だということがわかった。
今、生きるか死ぬかの瀬戸際で、不安もいっぱいなんだろうな……
あたしが支えてあげるから、一緒に頑張ろうね!