My guardian!〜あたしとあたしの守護霊くん〜
『おはよっ!』
「い、苺!?」
教室に入った瞬間、みんながあたしを囲んだ。
「あの、その…大丈夫?」
「苺、責任感じて引きこもってるって聞いたから……」
『みんなぁ……』
みんなにこんなに心配かけちゃって……
『大丈夫!野ノ原苺、元気になりました!只今、高橋裕人の復活に向けて活動中ですっ!』
「苺ー!」
「よかったー!!」
みんなに笑顔で挨拶した後、席につく。
あたしの前の席。
中身は置き勉した教科書がぎっしりの、落書きだらけの机。
───裕人の席。
『裕人』
こっそりと裕人を呼ぶ。
「何?」
浮いてた裕人が、するりと降りてきた。
『絶対、絶対死なせないから』
この席、なくしたりしない。
「苺……ありがとな」
そう言って、頬に軽いキスをした。
温かくも冷たくもない、不思議な感触。
ただ、キスされたという感覚だけが残った。
…………え?
『えぇえぇぇえぇ!?』
ガッターンッ!
「い、苺?」
みんなが一斉にこっちを見た。
『あ、ごめ…ん、なさい……』
あたしはペタン、と椅子に座る。
何冷静な分析をしてるんだ、あたしは!!
後ろで一生懸命笑いを堪えてる男がいるけど、あえて無視。
いや、顔見れない……
真っ赤な顔を隠すため、あたしは机に突っ伏して寝たフリをした。