My guardian!〜あたしとあたしの守護霊くん〜
「ねぇ、苺(イチゴ)」
何日も学校を休んでるあたしを心配して、お見舞いに来てくれた親友の沙羅(サラ)。
「…大丈夫?」
あたしの隣に腰をおろし、そう聞く彼女に、あたしは首を横に振った。
大丈夫、なわけない。
あたしを突き飛ばして……鉄骨の下敷きになってしまったのは…裕人(ヒロト)。
同じクラスになってから、ずっと仲良くて。
あたしと沙羅と裕人と裕人の友達の圭(ケイ)くんで行動することがほとんどだった。
元気で、明るくて…リーダーシップまで取れちゃう彼は、男女関係なく人気があった。
そんな彼に、あたしはかれこれ1年近く…片想い中。
だけど…だけど裕人は……
「好きな人が自分を庇って事故るなんて、そりゃ悲しいだろうけど…学校には来なよ?」
『無理だよぉ…裕人はあたしが殺しちゃったんだっ!』
「違うって!あれは事故だよ!!」
『あたしがっ…普段は使わないあの道を通ったから…そしたら!裕人はこんなことには……500円は拾えなくなるけど』
「500円…?」
『たとえ500円拾えなくても!…ちょっと大きいけど……それでも!500円で裕人の命が助かってたなら……』
「そこまで500円に固執しなくてもいいんじゃ…?それに…裕人はまだ生きてるよ?」
『意識不明の重体だよっ!?すぐ死んじゃうよー!』
「や、でも!手術は成功したし…」
『だけど意識戻んなきゃ死んだも同然だよー!』
「か、彼だって頑張ってるし…」
『ダメだよー!そのうち様態が急変してポックリ逝っちゃうよー!!』
机に突っ伏して泣きじゃくるあたしに、沙羅は。
「…あんたは裕人に死んでもらいたいの……?」
と、とんでもないことを言い出した。
『そっ!そんなわけないでしょ!?沙羅、不謹慎だよ!!』
「……………。(あたしにどうしろと!?)」