My guardian!〜あたしとあたしの守護霊くん〜
「…でも、持ってるんだろ?」
『………うん』
あたしはクローゼットを開いて、ここ数日腕を通していないセーラー服のポケットの中から、あの日拾った500円取り出す。
「これか」
『これです』
「俺の命…」
『500円です』
「大切に使えよ!」
『貯金しますっ!』
………。
「さて、話を続けるぞ」
『ぜひ』
収集がつかなくなったので、流した。
「俺がお前の守護霊になったってことは、俺はずーっとお前のそばにいなくちゃなんねぇ」
ずーっと!?………もしやチャンス!?これは神様が与えてくれた、裕人にアタックするチャンス!?
「でもこのまま四十九日たっちまうと、俺の【体】が死ぬ」
『えーと、つまり…今裕人は幽体離脱してるのっ!?』
「そういうことになるな」
あれっ……じゃあなんで……
『なんであたしを殴れるの?』
さっきからスパーンといい音出しながらさぁ。
「主人である苺本人と、苺の私物にだけ触れる」
『へぇ…』
あたしは興味本意で、裕人の頭を撫でてみた。
「な、何すんだっ!」
『ほんとだ!触れるー!!』
顔を真っ赤にしてそっぽを向く裕人。
『顔、真っ赤』
「っ……」
『…そんな怒んなくてもいいじゃんっ!』
「……え?」
あたしが手を離してそう言うと、きょとんとした顔になった。
「…はぁ」
『?』
裕人は真っ赤な顔のまま、本日最大のため息をついた。