いつかまた桜の下で君に会えたら



小さい頃大事にしていたオルゴール。


中には小物を入れられるようになっている、ちょっと大きめのオルゴールだ。



なくしたと思ったらこんなところにあったのか。


なんだか凄く懐かしい。

確か死んだおじいちゃんがくれたものだ。


どうやら傷はそんなについていないようだ。


汚れは大分凄いけど。




ふたを開けてみると何か入っていた。



なんだろう。



中身を取り出してみる。

中に入っていたのは桜の押し花だった。



押し花が貼ってある画用紙を裏返すとそこには幼い字で「ゆうた」と書かれていた。


これはゆうたって人のものなんだろうか。



よくわかんないや。



押し花を戻そうと、オルゴールの中を覗きこんだとき、もう一枚紙が入っていることに気付いた。

どうやら写真のようだ。


そこに写っていたのは、溢れそうな笑顔をカメラに向けている私と、同じ位の年の男の子だった。




< 43 / 51 >

この作品をシェア

pagetop