いつかまた桜の下で君に会えたら
小さい頃大事にしていたオルゴール。
中には小物を入れられるようになっている、ちょっと大きめのオルゴールだ。
なくしたと思ったらこんなところにあったのか。
なんだか凄く懐かしい。
確か死んだおじいちゃんがくれたものだ。
どうやら傷はそんなについていないようだ。
汚れは大分凄いけど。
ふたを開けてみると何か入っていた。
なんだろう。
中身を取り出してみる。
中に入っていたのは桜の押し花だった。
押し花が貼ってある画用紙を裏返すとそこには幼い字で「ゆうた」と書かれていた。
これはゆうたって人のものなんだろうか。
よくわかんないや。
押し花を戻そうと、オルゴールの中を覗きこんだとき、もう一枚紙が入っていることに気付いた。
どうやら写真のようだ。
そこに写っていたのは、溢れそうな笑顔をカメラに向けている私と、同じ位の年の男の子だった。