いつかまた桜の下で君に会えたら
桜は今年もよく咲いた。
花見なんて言うけれど、桜の木の根本に腰を下ろすとこっちが桜に観察されているような気分だ。
こうしてみると私たち人間なんてちっぽけだ。
誰も見に来てくれない所でも桜は咲いている。
忘れ去られて、ぽつんと一人でいても桜は花を咲かす。
人間は一人じゃ生きていけない。
一人じゃ綺麗に咲けない。
だけど私はちっぽけでも、人間に生まれてきて良かったと思う。
私は誰か大切な人の側で綺麗に咲きたい。
そう言うとみんな笑う。
だけど、あんたらしいね、とも言う。
私らしいかは解らないけど、誰もこのことを否定しない。
そんな彼女たちが好きだ。