鳥籠の華




「嗚呼、やっぱり覚えてた。嬉しいよ」




そう言いまた一段と口元を上げる男…シリウス



そのシリウスの横に立ち何かを面白がるかのように



不気味なほど微笑んでいる女…マリ。




この二人が何故この屋敷の中にいるのか…



玄関の騎手は一体、何をしてるんだ?



…いや、



この二人なら屋敷に忍び込むなんて容易いことなのかもしれない。




「…ご用件はなんでしょう?」




バルドの隣にいたチトセが尋ねた



…微かに声が震えているのが俺にはわかった






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