鳥籠の華



明らかにこれは情事の後だった



「……サン様…」


小さく呟きチトセはベッドに近づいた



サンの顔を見てチトセは更に言葉を失った…




目元には涙の後


睫毛には滴がまだあった



よほど辛かったのだろう…


サンの整ったピンクの唇には強く噛んだ後があり


…そこから痛々しげに鮮血が滲んでいた




「…っ」


そんなサンからファイは目を反らし




「……サンをゆっくり休ませてやってくれ…」



と言い、奥の部屋に姿を消した…





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