心に潜んだ七色の鬼―刀を持った青い鬼―
はじめに
あなたは、鬼の存在を信じますか?
ほら、よく昔の物語に出てくるじゃないですか。平凡で平和な村や町に突然現れて財宝や女をさらっていき建物を壊して暴れ回る。
それを聞きつけた英雄が鬼々島に行って鬼を成敗しに行く。
でも、そんなこと出来るのはたった一握りの奴だけで、きっとあーいう話の裏には、他に何人もの人間が鬼々島に行って皆殺しにされてるんだろう。
中には泣き虫で臆病な奴もいるみたいだけど、力を振るえば絶対人一人は殺せるハズです。
あなたは鬼と言われると何を連想しますか?
虎の皮のパンツを履き頭に角の生えた金色の巻き毛で棍棒を振り回す化物顔の巨人ですか?
それとももっと奇妙で恐ろしいものですか?
それとももっと小さくて可愛らしいものですか?
私達はもっとそういうものじゃなくて、もっと違うものを連想します。
それは、多分あなたたちの想像するものとは違うものでしょう。この世界に同じ人間はいないのだから。
でも、これだけは共通して言えるたしかなことです。
鬼は存在します。
しかもその鬼は、自分の姿を決して人には見せません。
鬼は人の心の中に潜んで、人の感情が揺れると出てきて恐ろしさを発揮します。
と、いうことはつまり人間が本当の鬼ってことになるかもしれませんね。
でも、そこにはちゃんと鬼が存在していました。
僕は私は、その目で見たんですから。
―――――そして…僕たちは、私たちは…