心に潜んだ七色の鬼―刀を持った青い鬼―
「鬼寺って…、あの鬼寺財閥の?」
「それだったら、なんでこんな田舎の学校に?」
「青色の髪ってもともとの色なのか? それとも染めたのか?」
「なんかかわいー。」
「・…・………………」
クラスの話し声に鬼寺さんは肩をすくめた。ひょっとして自分のことを言われるのが嫌いなのかな?
「じゃーっ、鬼寺は一番窓側の3列目! 輝明の後ろな!」
「はい。」
クラス中の声を掻き消すような声で先生は鬼寺さんに言った。すると、鬼寺さんは返事をして俺の後ろの空いてる席に座り込んだ。
俺は後ろを向いて、鬼寺さんに声をかけた。
「同じ学年だったんだ。俺、安藤輝明。よろしくな。」
「よ…よろしくお願いします。」
鬼寺さんは顔を少し染めて、ぺこりとお辞儀をした。まだ新しい環境に戸惑ってるみたいで、オドオドしてる。
でもスグに慣れるだろうな。この島に嫌な奴はいねえし。
すると、それと同時に学校のチャイムがなった。
「気をつけ! 礼!」
号令係の川村が号令をかける。俺もすぐに振り向いて礼をした。