心に潜んだ七色の鬼―刀を持った青い鬼―
「輝明! 唯花! お待たせっ」

ユイカと話してると、ヒバリが走ってやってきた。

「ヒバリーっ! おっはよーっ!!」

「おはよーっ」

ユイカはヒバリに手を振って答えた。俺も手を振って言った。

嘉川雲雀(かがわ ひばり)は俺の幼稚園の頃から親友の一人。

黒い髪と鋭くて小さい目が冷静さを漂わせる男。

元気いっぱいの俺やユイカとは違って、冷静でクールな奴。だけど心はとても温かい。

幼稚園の頃に出会ってから、今では一番の友達だ。

「今日はやけに暑いな。木陰に入る前までは汗だくだったぜ。」

「アタシも汗だくだくーっ!」

「そうだね、今の時点じゃ気温は27度だし。でも、予想だと時間がたつにつれ雲が出てきて過ごしやすい気温になってくるよ。」

「そっか。なら安心だな。」

「うん。でも、この暑さはちょっと異常。何か悪いことの前触れかも。」

ヒバリはニュースや天気予報に詳しい。この島の人では珍しくパソコンが家にあってインターネットが使える。

真面目でしっかり者のヒバリらしいぜ。しかもそれで視力がいいっていうのもな。

「じゃ、後はトオルだけか?」

「そだね。でもまたきっとこの木の何処かに潜んでるかもよ?」

「確かに。」

「うっ…。いつものパターンだと俺の後誰かがきた後に同時に来てどっかに隠れていきなり出てき」


ぐわしっ

「て…?」

 そう言いかけた瞬間、俺の首に手が置かれてそのまま掴まれた。
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