心に潜んだ七色の鬼―刀を持った青い鬼―
「トーーーーーーオーーーーーールーーーーーーッッ!!!!!」

「アハハハハハハハッ!!!」

すると、葉っぱの中から無邪気な笑い声が聞こえて、緑の葉を沢山落して空中バク転で降りてきた。

アイツ、チセの木で一番低い太枝に逆さにぶらさがってやがった。

「アハハハハッ!! テル坊ひっかかったひっかかったっ!! キャハハハハハハハッ!!」

トオルは腹を抱えて、ころげるように笑いつづけていた。

樋口徹(ひぐち とおる)。運動神経抜群のちょっと変わった女の子。(名前は男らしいけど)

おかっぱ頭の後ろやもみあげにふわふわとした癖がついている。(本人は天然パーマと主張)

いつもどこかに隠れては、誰かにイタズラをしようとしている。そのイタズラのは授業を一日ツブすほどの能力だ。

そのイタズラを考える思考と運動神経は跳びぬけいいけど、そのかわり勉強とかはまるでダメ。

「あーあー。木に隠れてたせいでオイラのミニスカーティーが汚れちまったよ。まっ、いっか。」

「お前、女としての自覚あんのか? こんなミニスカートで逆さになってたらな…。」

「ダーイジョブ。ちゃんとスパッツはいてるからパンツ見えないよ! 残念だねっ! テ・ル・坊☆」

「でっ!」

トオルは悪戯な笑顔で、俺の額にデコピンした。アイツのスカートの丈膝上10cm軽々越してるだろ。

そんな短いスカートで跳ね回ったり走り回ったりアクロバットを披露したり…。せっかくならズボンだけ履いてくれないか?



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