短編置き場・3
「今日はもうよい。部屋で休息をとりたい、セバスチャン」

席を立った王様を、小姓頭のセバスチャンが後追う。

セバスチャンは王様の機嫌を損ねたのではあるまいかと、手をもみ絞りながら料理の出来栄えを尋ねた。

「王様、本日の夕食は、三ツ星レストランのヨーロ・ノ・ターキのオーナーシェフが腕を振るったものですが。お気に召して頂くことがかなわぬようでしたら、今すぐシェフをワタクシめがボコボコにしますが」

「いや、そうではない。・・・そうではないのだ」

言い表せぬ悲しさに面を曇らせ、王様は歩みを止めた。

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