短編置き場・3
「おお!民たちがこんなに!今日はなにかの縁日であったか。セバスチャン?」

王様が横を向くと、セバスチャンは顔を真っ青にして震えていた。

「王様、早く、早くお逃げください」

「あっ!あすこに王様がいるぞ!」

目ざとい誰かの叫びと同時に、撃たれた銃が哀れなセバスチャンの眉間に穴を開けた。

「おや、こんな所で寝ると風邪を引くぞ、セバスチャン」

絨毯の上に大の字になり動かなくなったセバスチャンを尻目に、王様は下々の人間が繰り広げる「縁日騒ぎ」に参加してみたくなり、一人で王宮を下りた。
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