短編置き場・3
すれ違う家臣や侍女や下働きの者たちが、右往左往しながら慌てふためいているのも、王様には新鮮だった。

庭に出た王様を、怒り狂った人々が取り囲んだ。

「やい王様。貴様の課した重税のおかげで、俺たちはカラッカラだ。どうしてくれる!?」

王様は男の問いよりも、初めて感じる石畳の感触に肝をつぶしていた。

「なんという硬さだ!絨毯の敷かれていない大地がこれほど硬いとは!ええい、これでは人民の足にタコができてしまう。国中に絨毯を敷き詰めるのだ。そのためには、さらなる増税が必要だ。だが皆のもの、安心してくれ。たとえどんな犠牲を払ってでも、わが国に絨毯を敷き詰めてみせる。それまで、さぞや硬かろうが、辛抱してくれ!」

王様はまっすぐな目で、自らが統治する領民の、数え切れないほどの顔たちを見回した。

人々が水を打たれたように静まり返っていく。

人々がどれほど気持ちを落ち込ませようとも、この下に行くことを許さない硬さを持って、石畳は彼らの足元に広がっていた。


         おわり
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