短編置き場・3
澄んだけだるさが体に満ちている。

もう見上げる元気はないが、頭上では星空が最期の輝きをみせているのだろう。

きっとオリオンも僕を見下ろしている。

どこかでパンを焼く香ばしいにおいが、僕の鼻をくすぐった。

シャワーを浴びるべきか、すぐに寝るべきか。

石畳を鳴らして歩く。

パンの香りは背後に過ぎ去った。

僕は家路を急いだ。



        おわり
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