短編置き場・3
「しっかりしろ!お前は木魚でも木琴でもなく、囚人の大川だ」

青木君が暴れ出した大川君を押さえつけた。

「一緒に自由の身になって、木魚でも木琴でも叩きまくろうぜ!その為にはここから逃げださなくちゃいけないんだ!」

「叩いて!僕を叩いて!」

「ええい、わからず屋め!」

青木君は大川君の体を拳で叩いた。

叩かれるたび、大川君は「ポク、ポク」と口で木魚の音を真似た。


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