好きだけじゃダメ?!
「どうした急に」


そう言って待ち合わせ場所に来た陸。


「うん。話があって・・・」



そう言ったまま黙ってしまった私は本当にずるいと思う



「美歩。
お前はわかりやすいな〜」

陸が笑って私の頭を撫でた

「わかってる。だからお前の口からきちんと聞きたい」


そう優しく私に話す陸はどこまでも優しい人だと思う。




「あのね。私ね。
好きな人がいるの。」


「知ってる。」


「えっ!」


私はパッと顔を上げて陸を見る


「分かりやすいって言ったろ。
飲みに行った日お前が家と逆の方に男と一緒に電車に乗るの見た。
ついでにその日からメールも電話も減った。
完全に俺の事忘れてただろ」

陸は何が面白いのか笑いながら話す


「だからわかってた。
俺は意地悪だからお前が言い出すまで待ってたんだ」
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