好きだけじゃダメ?!
・・・くじの紙がない

さっきから私は箱の中に手を入れてグルグル箱の隅々を探っている

箱を持つスタッフさんが

「紙ない?」

笑ってる
そこって笑うところではないと思う

「・・・はい」

手を抜くと、スタッフさんは箱を覗き

「ビリッ」

今の「ビリッ」って何?

「はい、おめでとう」

だから、さっきから何でこの人笑ってんのよ?

「は〜あ」

気のない返事をしてバスに乗り込む
私の手に渡されたくじはしっかりとテープが貼られていた

それを開くと『36』と書かれていた

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