好きだけじゃダメ?!
「あっ、戻ってきた」

さすがに芸能人スマイル
拓の笑顔が私に向けられてそして、やんわりとそこに座る彼女の腕をほどき立ち上がる

「遅かったね」

瑛士も恐ろしく爽やかな笑顔だった

それより恐ろしかったのはそこに座る彼女

まるで、戻って来なければ良かったのに

と言いたそうな顔

彼女は

「ごめんなさい、席お借りして」

立ち上がる時もなんだかゆっくり

その時、香織が私に気付き耳元で

「あの女、いろいろ厄介かも。
あの席狙って座った瞬間から両手に花で離さないのよ。
何様だよ」

嫌味たっぷり、怒り倍増ですって顔して呟いた
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