好きだけじゃダメ?!
社長室に通されるとそこには

やっぱり居た。


「どうして私が担当なの?」


「俺は、狙ったものは手に入れる主義なんで・・・」


そう言って振り返ったのは瑛士だった。




「美歩。失礼なこと言わないの」

私が怒られる羽目になった


「社長さんは?」

そう瑛士に聞くと


「あぁ、少し遅れてる。契約は好きにしていいと言われてるから俺がここに居る」



権限を持つってことはやはりこの事務所の稼ぎ頭なことはすぐにわかった。


「今回の契約に当たって、条件は担当者が指名だとお聞きしましたがこの子で本当にいいのでしょうか?」

私を社長が前に出す


「えぇ。美歩を担当にしないのならわざわざ契約先を変更する必要はないと思いますが。」

まったくもって、瑛士の考えがわからない私は


「私より仕事の出来るスタッフは沢山居ますが。」


その言葉に


「自分の仕事に自信がないってこと?
じゃ、いつまでも使われる側で良いってこと?
そんな考えなんだ。わかった。もういい。」

冷たく言い放つ瑛士



「は?」


「だからもういい。この契約はなかったことに」

そう言った
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