朧月。



この子の命を奪う資格なんて私にはないと思った。



勿論、目的ある実験だし単位には必要だからやらない選択なんてないんだけど。



…けど、私は。



そんな高等な生き物じゃないし、きっともっと価値がない。














ケージから顔を出す顔は無垢で、餌を与える私を覚えているのか鼻をヒクヒク動かしていた。




まぁ、ただご飯が欲しかっただけなんだろうけど。






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