逢えたから

家に着くまでの間、無言。
食事中、無言。(母さん達にかなり怪しまれた)

そして、おじいちゃんは風呂へ。


「……どー…しよ…」


いつ怒られるかびくびくしてたのに、おじいちゃんは怒るどころかこちらを見もしなかった。
でも少しも嬉しくない、それどころか…


そんなに悪いことだったのだろうか、僕は無意識だったからあまり自覚はないんだけど。

もう、話してくれないのだろうか。前のように。

どうしよう、どうしよう、どうすればいい?


僕はいつもどうしてた?
悪いことをしたときどうしていたんだ?

お父さんが怒って、お母さんが怒って、僕が…?

……僕は、ただそれを黙って聞いていて…「もういい」「わかったなら部屋にいけ」まで、ただじっと…


そういえば、二人とも一方的に怒っておわりだったなあ…
まあ僕が悪いから反論することもないけど、何一つ僕のことを聞こうとしなかったし。
それは僕にとって普通だったし、ただひたすらに時間が過ぎるのを待ってた。


まあ別にあの二人はどうだっていいんだけど。
しかしマズイ。こんなとき、どうすればいいんだ?
こういう相談はおじいちゃんに頼りきりだったから、まったくもって八方塞がりだ。


母さんに聞いたら「ほっときなさい、直るわよそのうち。」とか無責任な解答を寄越すに決まってるし、おばあちゃんは未知数だ、が何と言ってもあの母さんの母なんだ。
同じ解答かもしれない、いや…可能性は高い。




ああ、もう



「…どうすれば、いいんだよ…」



おじいちゃん…
< 17 / 19 >

この作品をシェア

pagetop