告白ノート
一言の始まり










5時間目の古典の授業。

何でこんな事を勉強するのか…

私は大あくびをしながらノート写しをする。
現在の時刻は10月末の午後1時半…

まだ5限目なのか…
私はノートにハァと溜息を吹きかける。


何か楽しい事ないかなあ?
授業が潰せるような良い事は……




パコンッ―…

鈍い音が教室で響いた。

いってえ……


「おい、佐崎、聞いてるのか?」


私の頭を叩いたのは古典担当のハゲ教師。
あまりの痛さに頭を抱え込む私。

50代のオヤジなんかに言われたくないし。


「はいはい、聞いてますよ」


私がそう返すとハゲ先生の顔つきが変わる。
呆れたのか、そいつはハアと大きな溜息をついた。

いや、臭いから喋んないでほしいんだけどね?


「“はい”は、一回でいい。ちゃんと聞いてろよ」


ハゲ先生はそう言うと、また授業を再開した。

周りからクスクスと笑う声が聞こえる。

まあ、ハゲ先生は嫌われてるしね?

てか、あんたがもっと若いイケメンだったら
ちゃんと授業は受けると思うけどね。

そんな事を考えながら私は目を教科書に移す。


(ふう…現実はそんな甘くないかあ…)

そしてまた私は現実逃避をしていた。


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