はなと不良クン
ガラッ
「……邪魔。どいて…」
後ろのドアから花井くんが入ってきた。
ドアをバックにして花井くんの行く手を阻むように立っていたわたしに、花井くんは小さい声でそう言った。
「あ、ごめん!花井くー…」
どくまえに花井くんに謝ろうと慌てて曲がれ右をして花井くんの顔を見た。
花井くんの顔は痣だらけで、右目のすぐ下と左頬のところにはバンドエイドが貼ってあった。
しかし、バンドエイドから傷が少しはみ出していて、見ているだけで痛そうだった。
「…なんだよ。さっさとどけよ…」
「花井くん怪我したの?痛そうだよ」
あまりに傷が痛そうで、思わず聞いたわたしに花井くんは目線を右にそらして小さく舌打ちをした。
「…別に…。慣れた…」
そう言う花井くんだけど眉が少し上がったように見えた。…本当は痛いんじゃないのかなー…
「けど、痛そー…」
「…うるせえんだよっ!!!!!お前に言ったら、オレの痛みが治るのかよ!!!!!何も知らねえくせに可哀想とか変な同情なんていらねえんだよ!!!!!」
ビクッ
怒鳴ってきた花井くんにわたし思わずビクッとしてしまった。
クラスのみんなも話を止めて、わたしと花井くんを見ている。