はなと不良クン
もし聞かれてたらすごく恥ずかしい…。
目を凝らして隅から隅まで見る。
どうやら誰もいないみたいだ。
ホッとしてふと自転車置き場の方へ目を向けた。
「………ん…?」
自転車置き場の向こう側の道路に誰かがしゃがんでいるっぽい…。
…やばい!!聞かれたかも!!!!!
焦る。
そりゃ焦る。
やばい。
恥ずかしくて汗がでてきた。
そっと音を立てないように自転車置き場と道路を隔てるフェンスに近付いた。
(……あ……)
そこにしゃがんでいる人は見覚えがあった。
「…花井日向(はないひなた)…」
そこにしゃがんでいるのはわたしのクラスメートでー…
…ーみんなが恐れている不良くんだった…。