つながる唄
どんだけ泣いたんだろう…。
「茜?帰ろう?」
樹が手を差し伸べてくれた。
「ねぇ樹…」
「なに?」
「さっきの人のこと聞かないの?」
あたしはバカだ…。
本当は聞かないでほしいのに…。
「茜さバカだな」
え…バカ?
「俺は茜が嫌なことは聞かない主義だから」
そう言って笑ってた。
「けどっ!!」
「俺はあんなやつを忘れさせるくらいの自信あるしさっ。今が幸せだから」
あたし何を気にしてたのかな…。
優に会ったって
あれはもう過去だから…
今は樹が隣にいてくれてるのに…。
樹は、あたしの手を握って歩き出したんだ。
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