夕暮れ行進曲
立花
 空が高い。雲が流れる。鳥が飛んでいる。

 声が聞こえる…。誰かが呼んでいる。どこか遠いところで。
 俺はどこにいるんだろう。とても気分がいい。鳥の鳴き声が俺の耳を通って全身に流れる。血が暖かくなる。

 目の前が揺れた。カメラがブレルように。 それは一回ではなく二度、繰り返された。

 「何寝てんだお前は!」
 「はいっ!すいません!」

 飛び起きた。頭を襲った衝撃で、一瞬目の前が真っ白になった。

「そのまま立ってろ。」

 俺は自分の机の前に立った。
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