夕暮れ行進曲
 下駄箱で靴を履き替えている時、誰かに呼ばれた。三井だった。

「高橋―!」

 何故か小声なのが気になったが俺は靴を上履きに戻して、三井のほうへ近づいた。

 三井は火災の時に鳴らす防災ベルの前でやけに俺をせかすような「おいでおいで」をした。

「あれー!あれ見える?」
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