夕暮れ行進曲
 三井は下を向いたまま目を腕で拭うような素振りをした。

「お前も俺の行く末が気になるだろ!!」

 三井は何かを訴えかけるように俺の目をじっと見た。

「わかったわかった、さっきの嘘。待っててやるよ。」

 俺は唇を吊り上げてニヒルな笑顔を作った。

「頑張れよ・・・・」

 三井の肩を叩くと三井はしゃんとした姿勢に戻った。

「行ってきます!」

 三井は敬礼をして俺に背中を向けた。以前もこんなことがあったような気がする・・・。
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