夕暮れ行進曲
「仕方ないわね・・・・いってらっしゃい。」

「いってらっしゃい。」

 俺はドアを開けて夜の空気の中に足を踏み入れた。一応厚着をしたがそれでも少し肌寒かった。

 もうすぐ冬が来る。マイ自転車の鍵を開けて素早く跨る。
一呼吸置いて自分に渇を入れると、俺は家の前の通りを抜け学校方面の道路沿いを走り出した。

 夜の街は地味だった。
車のライトがやたら目立って、目の前がチカチカした。
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