夕暮れ行進曲
 俺は立花に告白しようと思う。
坂井のように前から顔馴染みなわけでもなく、急に関係が進展したわけでもない。

 それでも俺は立花が好きになってしまった。今までこんな気持ちになったことはない。

 父さんがここに良く来ていて、俺のように空を眺めていたのなら、きっとその中で今の俺のような心境の時が一度はあったかもしれない。

 俺は白い息を空の黒色と重ねて、そこに小さい銀河を思い浮かべた。
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