夕暮れ行進曲
 俺はなんだかわからないがとても急いでインターホンを押した。

「はい?」

 母さんが間の抜けた声を出す。

「ただいま!」

「は~い」

 早く開けろと心の中で何度も叫んだ。カチャっと金属音がする。
俺は母さんが開けるより先にドアノブを回して勢いよくドアを開いた。

「な、どうしたの?」

「何でもない!」
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